彗星探査機「ロゼッタ」が再起動に成功、3年ぶり地球と交信
(CNN) 宇宙空間で冬眠状態に入っていた欧州宇宙機関(ESA)の彗星(すいせい)探査機「ロゼッタ」が20日、約3年ぶりに再起動し、地球に信号を送信した。8月にはチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)に接近して探査を開始する。
ドイツ・ダルムシュタットにあるESAの管制センターでは現地時間の午後7時過ぎ、ロゼッタからの信号が届くと歓声が上がった。責任者のゲルハルト・シュベーム氏は記者団に、「宇宙船が目覚めた」と感慨深げに語り、「これから2年は忙しくなる」と気を引き締めた。
ロゼッタは2004年に打ち上げられ、現在は太陽から約8億キロ、木星の軌道を通過した付近にある。かすかな太陽光しか届かない区間での電力を節約するために、2011年6月以来、ほとんどのシステムの電源を落としていた。
計画通りにいけば、8月にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に接近して11月には着陸機「フィラエ」を地表に投下。そのまま彗星を追跡し、太陽付近を通過する。
ESAは彗星の構造についてさらに詳しく調べ、地球の水の存在と彗星との関係などを探りたい意向だ。