UAEに涼もたらす「風の塔」、現代風にアレンジ
同氏の解説によると、「風の塔」の仕組みは次のようなものだ。まず、なるべく高い「風採り塔」を建て、上空にある速い気流を取り込んで塔の内壁に沿って風を下方に押し流す。建物内外に気圧差から屋内のよどんだ空気が外部に向けて一掃され、換気と冷却を図る仕掛けだという。
ヒューズ氏は「風の塔は素晴らしい。このように自然に換気された空間を体験すれば、エアコンで冷却された室内などよりはるかに健康的だと感じるはずだ」と話す。エアコンは一瞬にして快適な温度をもたらす利点がある。一方で「風の塔」は室内にたまった二酸化炭素を除去し、空気の淀みを軽減する機能を備えているという。
ヒューズ氏が特許を取得した現代版「風の塔」は、高さ1メートルの箱形装置で、上部から建物内に冷気を送り込むもの。冷却用の液体も利用して、室内温度を12度も下げることに成功したという。同氏のコンパクトなデザインは、巨大な塔を建てる際の建物に与える構造的な負荷を回避し費用を軽減するための策だ。