宇宙誕生の「重力波」を初観測、急膨張裏付け 米研究チーム
スタンフォード大学のケント・アーウィン氏はこれについて「重力波が残した明らかな署名」と解説する。
「インフレーション前の宇宙は1粒の電子よりも小さかった。それがインフレーションによって光速を超すスピードで拡大した」とアーウィン氏は話し、重力波は当時、宇宙全体に広がり、波長の長さは何十億光年にもわたっていたはずだと指摘した。
インフレーションの現象は、複数の宇宙が存在するという説の説明にも使うことができるという。ただし今回の研究結果はその説を裏付けるものではないとアーウィン氏。
今回の発見についてカリフォルニア工科大学の物理学者ショーン・キャロール氏は、「宇宙がどのように始まったかについて決定的なことを教えてくれる」と解説。「わずか数百年しか体系的な科学をやっていない人類の理解がそこまで到達できるというのは素晴らしい成果だ」と評価している。