彗星の次は水星へ、16年に探査機打ち上げ 欧州宇宙機関
(CNN) 彗星(すいせい)に探査機を着陸させることに史上初めて成功した欧州宇宙機関(ESA)が、次は水星に探査機を送り込む計画を進めている。
太陽に最も近い惑星の水星は、昼間の表面温度が400度を超す一方で、太陽が当たらない側はマイナス170度まで低下する。気温差がこれほど激しい惑星はほかに存在しない。大気はほとんど存在せず、大きさは月より少し大きい程度。
ESAの水星探査計画「ベピコロンボ」には宇宙航空研究開発機構(JAXA)も協力している。探査機は2016年7月21日に打ち上げて、7年半かけて2024年に水星の軌道に到達する予定。ベピコロンボの名称は、イタリアの天体力学者、故ジュゼッペ・コロンボ氏の愛称にちなんで命名された。
太陽からの近さや強い重力、放射線の強さなど、克服すべき課題は多い。これまで水星に到達した探査機は、米航空宇宙局(NASA)が1973年に打ち上げた「マリナー10」と、2004年に打ち上げた「メッセンジャー」の2機のみ。メッセンジャーは現在も水星の軌道上にあり、2015年まで観測を続ける。
ESAの担当者は、水星には未知の部分が多いと語り、「メッセンジャーでは予想外の発見がたくさんあった。そのフォローアップを行う理由は十分にある」と指摘する。
水星の軌道に到達したら、JAXAが開発した「水星表面探査機(MPO)」を切り離す予定で、水星の地形や磁場などを詳しく調べて太陽からこれほどの近距離に水星が形成された理由などを探る。