世界最古級のコーランか 英大学のコレクション
写本はコーランの18〜20章とみられ、動物の皮にインクで書かれている。書体は「ヒジャジ」と呼ばれるタイプの初期のものが用いられている。
バーミンガム大学のデービッド・トーマス教授(キリスト教・イスラム教学)によれば、書かれている文言は現代のコーランに非常に似ているという。
同教授は「現代のコーランは、イスラム教の初期に編さんされた当時のコーランと非常に近いという見方を裏付けるものだ」と説明する。
イスラム教の伝承によれば、預言者ムハンマドがのちにコーランの中身となる啓示を神から受けたのは610〜632年にかけてのことだ。
「当時、神の言葉は現在のような本の形にまとめられたのではなく、『人々の記憶』という形で保存された。羊皮紙や石、ヤシの葉、ラクダの肩甲骨に書き残されたものもあった」とトーマス教授らは言う。
神の啓示を本の形にまとめるよう命じたのは、ムハンマドの死後、イスラム教社会の指導者となった初代カリフのアブー・バクルで、完成したのは650年ごろだという。