スペースXのロケット爆発、原因は金属製支柱の破損
ニューヨーク(CNNMoney) 米宇宙企業スペースXの無人船「ドラゴン」を載せた「ファルコン9」ロケットが先月、打ち上げ直後に爆発した原因は、ロケット部品の不具合だったことが分かった。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が20日の記者会見で語った。
マスク氏によると、ロケットのデータを分析した結果、ヘリウムのタンクを押さえていた長さ約60センチの金属製の支柱が破損した可能性が高いことが判明した。タンクが激しくぶつかったため、ガスが漏れるなどして爆発が起きたとみられる。
スペースXは爆発事故以来、ロケットを打ち上げていない。マスク氏は「爆発で数億ドルの損失が出た」と述べ、打ち上げ再開は今秋以降になると述べた。
また「この7年間で少し慢心していたのかもしれないが、非常に重要な教訓を得た」とも語った。
スペースXはドラゴンやファルコン9の主要な部品を自社で製造しているが、破損した支柱は外部の会社が作り、さらに第3の会社が認証していた。マスク氏は両社の名前を公表しなかったが、今後は支柱を別の業者に発注し、自社で検査すると表明した。
ドラゴンは2トンを超える量の物資や実験装置などを国際宇宙ステーション(ISS)に運ぶ予定だった。
スペースXは米航空宇宙局(NASA)との契約に基づき、民間企業として初めてISSへ物資を輸送。その後4年間で18回の飛行を成功させてきた。マスク氏は、NASAとの契約更新を目指す方針に変わりはないと話している。