命救われたペンギン、毎年「帰宅」して男性と再会 ブラジル
(CNN) 1羽のペンギンが毎年約8000キロを旅して自分の命を救ってくれた男性に会いに来る――。そんな美談がこのところソーシャルメディアで出回っている。実はこの話、真実に基づいてはいるものの、相当の誤解や尾ひれも加わっているという。
CNNは、2月にブラジルでこのペンギンに関するドキュメンタリー番組を制作した生物学者、ジョアン・パウロ・クラジェウスキさんに取材した。
ペンギンの話は6日にインターネットに掲載され、以後、8000キロを旅してペンギンが男性に会いに来るという話が広まった。しかしそれは事実ではないとクラジェウスキさんは断言し、このペンギン「ディンディム」の本当の物語を紹介した。
2011年5月、ブラジル南部リオデジャネイロ州に住むジョアン・ペレイラ・デ・ソウザさん(71)が自宅前の海岸で、原油流出に巻き込まれてほとんど動けなくなった1羽のマゼランペンギンを発見した。
ペレイラ・デ・ソウザさんはペンギンの体に付いた原油を洗い落とし、毎日餌を与えて回復させた。
マゼランペンギンは南米大陸南端のパタゴニア地域に生息し、5カ月ほど海で過ごしてから海岸に戻る。主にアルゼンチンで繁殖し、ブラジルのリオデジャネイロ州で目撃されることもある。
ペレイラ・デ・ソウザさんはペンギンが回復すると、近くの島へ連れて行って海に放した。ところが数日たつと裏庭に戻って来て、ペレイラ・デ・ソウザさんの姿を見ると鳴き声を上げた。