新種の人類ホモ・ナレディ発見、その舞台裏は<1> 洞窟の探索に悪戦苦闘

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バーガー氏が集めた調査メンバー。狭い洞窟での活動が可能な細身の女性で占められている

バーガー氏が集めた調査メンバー。狭い洞窟での活動が可能な細身の女性で占められている

バーガー氏は08年、「アウストラロピテクス・セディバ」という別の新種の骨化石を発見。すでに学会で確固とした地位を築いていた。このときはヨハネスブルク北郊にあるマラパ自然保護区で、9歳になるバーガー氏の息子が骨格の一部に遭遇。「パパ、化石を見つけたよ」と叫び、有名なエピソードとなった。

だがバーガー氏の名前を古人類学の歴史に刻んだのは、ホモ・ナレディの発見だ。アウストラロピテクス・セディバを約5年前に発見して以来、一帯にもっと多くの骨が埋まっているはずだとみるバーガー氏の確信は深まっていた。南アのこの地域は「人類のゆりかご」と呼ばれ、20世紀に多くの骨化石が発見されていた。

バーガー氏の予感は当たった。発掘をさらに進めていたある夜のこと、アマチュア探検家のスティーブ・タッカー氏が報告に訪れた。タッカー氏は仲間のリック・ハンター氏と共にスーパーマンズ・クロールを通り抜けることに成功。洞窟で驚きの発見をしていた。

バーガー氏は両氏が撮影した写真を見た瞬間から、ホモ・ナレディの魅力に取りつかれたという。「信じられないような写真だった。地下洞窟の床に骨が横たわっていた。原始人のものだとすぐに分かった」と話す。

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