グレートバリアリーフのサンゴ礁、温暖化で35%死滅
(CNN) 世界遺産に指定されたオーストラリア北東部沖のサンゴ礁グレートバリアリーフが大規模なサンゴの白化に見舞われ、サンゴ礁の平均35%が死滅していることが分かった。調査を実施した豪ジェームズクック大学の研究チームは、原因の1つとして地球温暖化を挙げている。
同大サンゴ礁研究センターの調査団は数カ月かけ、グレートバリアリーフの北部と中部で84のサンゴ礁について上空と海中から調査を行った。その結果、サンゴ礁の死滅率は平均で35%に達していた。
特に北部は死滅率が50~60%に達し、場所によってはサンゴの90%近くが白化していた。
一方、クイーンズランド州北部ケアンズ沖のグレートバリアリーフ中部では死滅率は推定5%にとどまり、白化率は25%だった。
研究センター長のテリー・ヒューズ氏は、「グレートバリアリーフが地球温暖化の影響で大規模な白化に見舞われたのはこの18年で3度目になる。今回確認した被害の程度はこれまでのどの調査よりもはるかに大きかった」と話す。
サンゴは海水温度が1度でも上昇すると白化現象が起きる。白化したサンゴはすぐに死ぬわけではなく、海水温が数カ月程度で平常に戻ればサンゴ礁は保たれる。しかし海水温が下がらなければサンゴは死ぬ。そうなると海草が繁殖してサンゴ礁は再生できなくなるという。
グレートバリアリーフの北部で白化が広がったのは、エルニーニョ現象の影響で海水温が異常に上昇し、晴天が続いたためだという。一方、中部はサイクロンに見舞われて海水温が下がり、降雨量が多かったことが幸いした。