NASA探査機打ち上げ、地球脅かす小惑星の試料採取へ
フロリダ州ケープカナベラル(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は8日午後7時5分、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から無人小惑星探査機「オシリス・レックス」を打ち上げた。地球衝突の可能性も指摘される小惑星「ベンヌ」から試料を採取し、地球に持ち帰ることを目指す。
オシリス・レックス計画にかかわる科学者のジェフリー・グロスマン氏は、「この小惑星を研究し、試料を採取すれば、太陽系について多くのことが学べるだろう」と期待を寄せる。
小惑星の試料を採取して地球に帰還できれば、NASAとしては初めてとなる。日本の探査機「はやぶさ」は2010年、小惑星「イトカワ」の粒子を持ち帰ることに成功している。
ベンヌはNASAが「潜在的に危険な小惑星(PHA)」に分類する小惑星で、現在確認できている小惑星の中でも、いずれ地球に衝突する可能性が特に高いとされる。
オシリス・レックスは2018年8月にベンヌに到着し、写真撮影や地表調査、地図の作製などを行う計画。20年7月には長さ3.35メートルのロボットアームを伸ばして約5秒間地表に接触。窒素ガスを噴出して粉塵(ふんじん)を巻き上げ、試料の回収を試みる。
NASAは少なくとも60グラム、できれば2キロ分のちりや小石を回収したい意向。