クモの糸が導く未来<2> 傷口の治療に効果

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麻酔をほどこしたクモから特殊なリールを使うことで1日20メートルの糸が入手できる

麻酔をほどこしたクモから特殊なリールを使うことで1日20メートルの糸が入手できる

(CNN) 応用先として最も有望だったのは医学の分野だ。クモの網は出血と感染を防ぐ効果があるとされ、古代ギリシャ以来、傷口に塗り込む形で治療に用いられてきた。英オックスフォード大学のフリッツ・ボールラス教授は傷口を覆う創傷被覆材(ドレッシング材)をクモの糸から作って動物実験を実施。クモ糸がホスト組織と支障なく融合することを発見した。

前回「クモの糸が導く未来<1> 再生医療に新たな可能性」はこちら

ボールラス氏は「クモ糸は生物適合性に優れているため、傷口が拒絶反応を起こすことはない」と指摘する。クモの網から採取したばかりの未洗浄の糸でも傷口を閉じる効果が期待でき、後で取り除く必要もないという。

続いてクモ糸そのものの分析を行ったところ、内部に特殊なたんぱく質構造があり、圧力や変形に対する耐性を備えていることが判明。これがクモ糸に特有の強度や柔軟性につながっていることを特定した。

ジョロウグモは用途の異なる7種類の糸を紡いでいることも明らかになった。中でもクモが垂れ下がるのに使う引き糸が最も強靱(きょうじん)なことが分かり、新型の生体インプラントのモデルとして使われるようになっている。

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