「イエス・キリストの墓」、修復終え一般公開 エルサレム
(CNN) エルサレムの旧市街にあるキリスト教の聖地、聖墳墓教会で、イエス・キリストの墓があるといわれる構造物「エディクラ」の修復が完了し、このほど一般に公開された。
エディクラは石灰岩と大理石でできた構造物で、4世紀以来、十字架にかけられたキリストが埋葬された場所と伝えられてきた。
修復プロジェクトはワールド・モニュメント財団(WMF)が監修し、ギリシャのアテネ国立技術大学の研究者率いる幅広い専門家や技術者のチームが9カ月がかりで作業を行ってきた。
作業は信者の祈りを妨げないよう、主に夜間に実施。まず土台部分を修復し、続いて欠け落ちた石積みを元の場所に戻してチタン製の支えで固定した。
昨年10月には、キリストの墓を覆っていた大理石板が500年ぶりに取り外されていた。ナショナル・ジオグラフィックの考古学担当記者クリスティン・ロメイ氏は当時CNNの取材に対し、「現代史上初めて、墓から大理石を取り外し、イエス・キリストの遺体が置かれたと伝えられる岩を調べることができた」と話している。
聖墳墓教会はキリスト教のカトリックやギリシャ正教会など6宗派にとっての聖地となっている。宗派間の中立性を保つため、教会の鍵はイスラム教徒の一家が何世代にもわたって引き継いできた。