ジカ熱ワクチン実用化へ、6月にも2400人で対照試験
(CNN) ジカウイルス感染症(ジカ熱)に効くワクチンの開発に向けた2400人規模の対照試験が米州大陸で6月にも開始されることが3日までに分かった。
米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ博士によれば、同研究所で開発されたワクチン候補が動物実験や初めての臨床試験で成果がみられたことから、ワクチン開発の次の段階へ進むことが決まったという。
試験に参加するボランティアを米州大陸で募っている。ワクチンのテストが行われるのは米マイアミをはじめ、プエルトリコ、ブラジル、メキシコなど11カ所。
次の試験では、90人の健康な成人をグループに分けて安全性の確認のため量を変えて投薬が行われる。その後、6月ごろに、2400人の成人や若者が参加する対照試験が実施される見通し。参加者はジカ熱が見つかった地域で暮らしていてもジカ熱には感染していない人たちとなる。
ジカ熱を阻止する効果があるかどうか確認するため、ボランティアの一部にはワクチンを与え、別のボランティアにはプラシーボ(偽薬)を投与する。試験にかかる費用は1億ドル(約110億円)で国からの助成で行われる。
全てがスケジュール通りにいけば、ワクチン開発は年内にも次の段階へと移行する見通し。次の段階で国からの資金援助があるかどうかは不明だという。トランプ政権は研究所の予算について18%の削減を提案している。