世界最強の実用ロケット「ファルコンヘビー」、打ち上げ成功
ニューヨーク(CNNMoney) 米宇宙開発企業スペースXは6日午後3時45分ごろ、世界最強の実用型ロケットと呼ばれる「ファルコンヘビー」をフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げた。
打ち上げから約2分半後、1段目のロケットブースター2基が切り離されて、地球へ帰還。現地で打ち上げの様子を見守っていた見物人からは大きな歓声が上がった。同社のライブ中継は約300万人が視聴した。
打ち上げの成功は、確実視はされていなかった。経営者のイーロン・マスク氏は前日の5日、CNNの取材に対し、「世界中の人々が、偉大なロケットの打ち上げか、あるいはそれまで見たこともないような最高の花火を目にすることになる」と話していた。
スペースXは、切り離されて地球に戻ったロケットブースター2基を、ケネディ宇宙センターの発射台へ同時に垂直の状態で着陸させることにも初めて成功した。
3基目のブースターは海上でドローン船の上に着陸させる計画だが、成功したかどうかは現時点で明らかになっていない。
宇宙へ向かったロケットには、マスク氏が個人で所有するテスラのスポーツカー「ロードスター」が搭載されている。運転席に座るのは宇宙服を着たマネキン。同車はデビッド・ボウイの楽曲「スペース・オディティ」をエンドレスで流し続け、車載カメラは宇宙への旅の様子を映し出している。マスク氏は、太陽を周る軌道に同車を送り込みたい考え。
スペースXはコスト削減の目的でロケットの再利用を推進しており、ファルコンヘビーを構成するロケットブースターのうち2基は「ファルコン9」を再利用。中央ブースターには新しいロケットを使用した。