脳腫瘍の罹患率が2倍強に、携帯電話との関係は? 英研究
(CNN) 英イングランドで進行性の悪性脳腫瘍(のうしゅよう)にかかる人の割合が過去20年で倍以上に増えたという調査結果が、2日の学術誌に発表された。原因は解明されていないものの、研究チームは携帯電話が関係する可能性にも言及している。
英国の研究チームは1995~2015年にかけてイングランドで悪性脳腫瘍と診断された8万1135人について調査した。その結果、神経膠腫(グリオーマ)の罹患率が、人口10万人当たり2.4人から5.0人へと増えていることが分かった。
今回の研究では原因については調査していない。ただ、論文の筆頭筆者アラスデア・フィリップス氏は、ライフスタイルが一因になった可能性もあると述べ、携帯電話と脳腫瘍や脳の変化との関係について調べた過去の研究にも言及。腫瘍が主に、耳や額に近い前頭部から側頭葉にかけて発生していることなどを理由に、「携帯電話は最も有力な原因と考えられる」とした。
ただし脳腫瘍の症例は依然として極めて稀(まれ)であり、たとえ携帯電話の使用が脳腫瘍のリスクを増大させる恐れがあるとしても、人が脳腫瘍にかかるリスクは非常に低いと説明。「長時間電話をかける場合はハンズフリーにした方がいい。ただし大騒ぎする必要はない」と強調している。
別の専門家は今回の研究について、脳腫瘍の罹患率増加と携帯電話使用との関係が証明されたわけではないと強調する。
携帯電話の放射線と脳腫瘍などのリスク増大との関係を巡っては、まだ分からないことの方が多い。因果関係はないとした調査もあれば、因果関係を指摘した調査も発表されている。