死んだ子どもに寄り添う母シャチ、死骸放し「悲しみの旅」終える

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死んだわが子を浮き上がらせながら泳ぎ続けていた母シャチが死骸を放したことが分かった/Center for Whale research

死んだわが子を浮き上がらせながら泳ぎ続けていた母シャチが死骸を放したことが分かった/Center for Whale research

(CNN) 太平洋東部で子どもの死後2週間以上にわたり死骸に寄り添って泳ぎ続けていた母シャチが、現在は死骸を運ぶのを止めていることが13日までに分かった。環境問題に携わる当局者が明らかにした。

子どもの死骸に寄り添って泳いだ距離は千数百キロ。母親の愛情と喪失感の表れとみられる「悲しみの旅」は世界的な注目を集め、人々を驚嘆させた。

母シャチと子どもの死骸が最後に確認されたのは9日午後。子どもの生後17日が経過していた。子どもは生まれて数時間で死んだ。

米ワシントン州を拠点とする鯨類の調査団体は、この母シャチが11日に群れの仲間と、カナダ西部ビクトリア沿岸の海峡で、餌になるサケを追っているのを見つけたと説明。その際、約0.8キロを泳ぐ間、子どもの死骸は連れていなかった。

死骸は海底に沈んだ可能性が高いという。同団体はブログに「母シャチの悲しみの旅が終わった。現在は行動が目に見えて活発になっている」と記した。

この群れには健康状態が危ぶまれる別のメスもおり、科学者らは感染症対策で抗生物質を投与している。

群れは約75頭で構成されているが、過去3年間で無事誕生して成長できた子どもは1頭もいない。過去20年では、無事に育った子どもは25%だけだった。

原因は、シャチの餌となるサケが、河川の水力発電施設による産卵ルートの妨害や乱獲などによって減少していることにある。

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