気候変動の影響で先天性の心臓病が増加か 米研究
(CNN) 気候変動の影響で米各地の気温が上昇すると、生まれつき心臓に異常がある赤ちゃんが増えるとの可能性が指摘されている。
米ニューヨーク州立大学オールバニ校のシャオ・リン教授が、米心臓協会誌JAHAの最新号に論文を発表した。
研究チームは、先天異常のリスク要因を調べた大規模な研究、米国先天性欠損予防研究(NBDPS)と、米政府による気候関連のデータに基づき、2025~35年に生まれる子どもへの影響を予測した。
妊婦が暑さにさらされる影響で、この11年間に生まれる先天性心疾患の子どもは7000人も増える可能性があるという。
中でも、大幅な温暖化が予想される中西部の州に住み、妊娠期間が春から夏に当たる母親では、特にリスクが高まるという。
これまでの研究で、妊娠中に暑さが続くと早産や低体重児のリスクが高まることが知られている。妊娠早期の母親が暑さにさらされると、子どもに先天性心疾患が見つかるリスクが大幅に上昇するとの研究報告もある。
医学的な因果関係は解明されていないが、動物を使った実験では、暑さが胎児の細胞死を引き起こしたり、胎児の発育に重要な役割を果たすたんぱく質に悪影響を及ぼしたりする可能性が報告されている。