5千年前の大家族を襲った悲劇、集団墓地の調査で明らかに ポーランド
この年代は、球状アンフォラ文化とは祖先が異なる縄目文土器文化が勢力を拡大していた時期と一致しており、資源の奪い合いによって集団虐殺が起きた可能性もある。
研究者は「犯人は分からない」としながらも、「事件が起きた5000年前は、新石器時代後期から、青銅器時代への移行期だった。この時代、ヨーロッパ文化は東方から移住してきたヤムナヤ文化によって大きく変わりつつあった。そうした変化が暴力的な領土争いを引き起こしたことは、容易に想像できる」と解説する。
頭蓋骨(ずがいこつ)には損傷の痕があったが、腕や両足の骨には身をもって抵抗した形跡がなかったことから、全員がとらえられて処刑されたと見られる。
人口が増え、資源が不足していた新石器時代後期には、こうした形の集団虐殺が頻発していたといい、集落全体が標的にされることもあれば、女性と子どもだけが連れ去られることもあった。