洪水逃れたトラ、民家に入りベッドで「くつろぐ」 インド
(CNN) インド北東部アッサム州のハルムティ村の民家に野生のトラ1頭が入り込み、ベッドを占領して、「くつろぐ」様子を家族が目撃する一幕がこのほどあった。
近くの世界遺産に指定されるカジランガ国立公園から迷い込んだ1頭とみられる。南アジア地域では今週、モンスーンによる洪水被害が深刻化しており、インドの野生生物保護団体はソーシャルメディア上で、「洪水が思わぬ客を呼び寄せた」とも書き込んだ。
ベッド上にたたずむトラの画像も公開した同団体は、同州の森林管理当局と共に麻酔などを使ってトラを静かにさせる方途を練ったと説明。同公園幹部は、トラはおとなしくし、危険を及ばさなかったので麻酔などを使用しなかったとした。
トラを追い出すための行動も試みたが、最後にはトラが自発的に立ち去ったという。このトラは民家に入り込んだ日の朝には、公園を離れた後に高速道路近くで目撃されてもいた。
カジランガ国立公園はトラ、ゾウ、クマなどの他、角が1個しかないインドサイの最大の生息地域ともなっている。世界自然保護基金によると、野生のトラの個体数は3900頭で絶滅危惧種とみなされている。
洪水発生で同公園から逃げ出したのはトラだけでなく、シカ、サイやゾウも同様だった。絶え間なく続く降雨のため同公園の95%以上が冠水したともされる。水位が上昇したため避難場所を探すサイの姿も撮影されている。
アッサム州の災害対策当局によると、カジランガ国立公園では7月13~同18日の間に確認された動物の死亡は83件となっている。