16歳アメフト少年、車を持ち上げて下敷きの男性救助 米オハイオ州
(CNN) 米オハイオ州で、アメリカンフットボール部に所属する16歳の高校生が単身で車を持ち上げて、下敷きになった男性を救う出来事があった。
同州バトラーに住むローラ・クラークさんと息子のザックさん(16)は21日午後、自宅の庭の手入れをしていたところ、近所の女性の助けを求める声が聞こえた。
すぐに駆けつけてみると、女性の夫がフォルクスワーゲン・パサートの下敷きになり、身動きできなくなっていた。
ザックさんはこの時の男性の様子について、「ジャッキが壊れるか滑るかして、上半身が車の下敷きになったらしい」「自分に見えたのは男性の脚と、もがいている様子だけだった」とWJWに話している。
ローラさんは「車は男性の頭部を圧迫し、肋骨(ろっこつ)を押し潰していた」と振り返る。
ローラさんによると、ザックさんは車の前部のボンネット付近から車体を持ち上げ、その間にローラさんと男性の妻が、車の下から男性を引きずり出した。
「男性は肋骨が何本か折れて顔もかなりひどい状態だった。それでも医師からは、もし僕がいなかったら多分死亡していただろうと告げられた」とザックさん。「自分があの場所にいて、あれだけの力を出せて本当によかった」と胸をなでおろした。
ザックさんは高校のアメリカンフットボール部員。デイブ・キャロール監督はザックさんについて、「この若者は、自分自身も悲しみを乗り越えてきた。父親が昨年夏に亡くなったばかりなので、一切ためらうことなく人の命を救った」と称賛する。
なぜ自分に車が持ち上げられたのかは分からないというザックさん。ただ、あの瞬間は亡くなった父親のことを考えていたという。「男性が家族と一緒にいられるよう、助けてあげたいと思った」と話している。