トランプ氏の職権乱用、ホワイトハウスが隠蔽画策か 内部告発者
ワシントン(CNN) トランプ米大統領に対する弾劾(だんがい)調査開始の引き金となった内部告発状が26日、公表された。告発状はトランプ氏が職権を乱用してウクライナに2020年米大統領選への「介入を求め」、ホワイトハウスがその隠ぺいを図ったとする内容。
これによると、ホワイトハウスの複数の当局者はトランプ氏とウクライナのゼレンスキー大統領による7月25日の電話会談に「深い懸念」を抱き、会談に関する全ての記録へのアクセスを制限しようとした。
告発状は民主党が正式な弾劾調査を開始するきっかけとなった。ホワイトハウスは今月25日、問題の電話会談の記録を公開。そこにはトランプ氏がバイデン前副大統領と息子ハンター氏の調査を行うようウクライナ側に繰り返し働きかける様子が示されている。
その翌日、トランプ政権は民主党の要求に屈する形で、機密解除された告発状を公表した。一連の展開を受け、民主党議員からは弾劾支持を表明する声が相次いだ。
トランプ氏は一切の不正を否定する一方、バイデン氏やウクライナ、ロシアによる2016年大統領選への介入に関し、根拠を示さずに陰謀論を展開している。
告発状によると、ホワイトハウスの弁護士の間では当初から電話会談の取り扱いに関して話し合いが行われていた。「大統領が個人的利益のために職権を乱用するのを目撃した」可能性が高いと考えたためだという。
また弁護士らは当局者に対し、閣僚級当局者が使用するコンピューターシステムから会談記録を削除し、特に機密性の高い情報を扱うシステムに保管するよう指示したとされる。