米下院議長、トランプ大統領に対する弾劾調査開始を発表
ワシントン(CNN) 米野党民主党のペロシ下院議長は24日、トランプ大統領に対する正式な弾劾(だんがい)調査を開始すると発表した。トランプ大統領は、敵対する政治家を狙い撃ちにする目的で外国の要人に圧力をかけたとされる疑惑をめぐり、非難の的になっていた。
ペロシ下院議長は連邦議会で行った演説で弾劾調査の開始を発表し、「大統領の責任を問わなければならない。誰も法を超越することはできない」と力説、「大統領がこれまでに取った行動は重大な憲法違反に当たる」とした。
これまでペロシ氏は、政治的対立を生じさせる問題からは距離を置く姿勢を取っていた。しかしトランプ大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領と7月に行った電話会談の中で、民主党のバイデン前副大統領と息子について言及していたことを確認。これを受けて民主党議員の間で批判が強まり、状況が一変した。民主党下院議員は相次いで、弾劾調査に対する支持を表明している。
ペロシ氏はさらに、「大統領は、自らを政治的に利する行動を取るようウクライナ大統領に要請したことを認めた。トランプ大統領のその行為は、大統領が就任宣誓に背き、我が国の国家安全保障に背き、選挙の完全性に背いたという不名誉な事実を露呈させた」と演説した。
今回の発表に先立ち、ペロシ氏とホイヤー下院院内総務は、「大統領が外国政府の力を借り、政敵の1人を捜査させることによって我が国の民主プロセスへの介入をはかった」として、25日に不信任決議案の採決を行う計画を発表していた。この声明では弾劾には触れていなかった。