イノシシが「道具を使う」様子、初めて確認 パリの動物園で撮影

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パリの動物園で飼育されているヴィサヤンヒゲイノシシ/Courtesy Meredith Root-Bernstein

パリの動物園で飼育されているヴィサヤンヒゲイノシシ/Courtesy Meredith Root-Bernstein

(CNN) イノシシやブタはその見かけ以上に賢い可能性がありそうだ。フランス・パリ動物園で飼育されているヴィサヤンヒゲイノシシが棒を使って土を掘り返し、巣を作る様子が撮影された。学会誌に発表された研究によれば、これはイノシシに道具を操る能力があることを示す証拠だという。

ブタやイノシシの足には指がなく、道具を巧みに使う様子が観察されたことはこれまではなかった。

今回の報告書の共同執筆者で保全生態学者のメレディス・ルートバレンスタイン氏は、パリ動物園で今回の事例に偶然遭遇した。「プリシラ」という名のイノシシが棒を口で加えて、地面をほじくりかえしていた。盛り土に落ちていた約10センチかける40センチの棒を口にくわえると、かなり熱心に急いで、土を掘り返すなどしたという。

ルートバレンスタイン氏は2015年から17年にかけて動物園を訪問して観察を行った。

最初の訪問では道具を使う様子はほとんどなかった。しかし、2016年にプリシラと雌の子どもは、穴を掘ったり巣を作ったりするために棒を前後に動かす様子を見せた。

プリシラのつがいの雄も棒で掘るしぐさをみせたが、プリシラなどと比べるとぎこちないものだった。17年にはプリシラは7度、棒を利用したという。

  
  

ただし、研究によれば、棒を使って穴を掘るのは、ひづめや鼻先を使って穴を掘るのと比べると効率が悪いという。それでは、なぜ、棒を使って穴を掘るのだろうか。研究によれば、ただ楽しいから道具を利用している可能性がある。

そのほか、身体的な欠点から派生した可能性や、人間がまだ理由がつかめていないだけで実際に巣作りに役立っている可能性もあるという。

いずれのケースでも、この行為はプリシラの家族内で学習された可能性が高い。ヴィサヤンヒゲイノシシは家族単位で生活し、人間と同じように、何がうまくいくのかお互いに学習するという。

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