英議会で「秘密の扉」が見つかる、17世紀に設置
(CNN) 英議会でこのほど、17世紀に作られた「秘密の扉」が発見された。英議会によれば、1661年のチャールズ2世の戴冠式(たいかんしき)のために作られた隠された入り口だという。秘密の通路は長期的な修復プロジェクトの一環で発見された。
修復プロジェクトのコンサルタントを務めるリズ・ハラム・スミス氏によれば、議事堂として利用されているウェストミンスター宮殿に関連した未分類の書類1万点を調査したところ、ウェストミンスターホールの後ろの回廊の出入り口に関する図面を発見したという。
そこから、2つの木製の扉の蝶番(ちょうつがい)の位置を特定できた。扉はいずれも3.5メートルの高さで間に小さな空間があった。
木材の年齢を測定する年輪年代学によって、狭い通路の天井に使われている木材は1659年に伐採されたものだと判明した。
驚いたのは通路の存在だけではなかった。内部には鉛筆でかかれた「落書き」も残されていた。落書きは1834年の火災で損傷した建物の修理を行ったれんが職人によるものだった。
1851年にかかれたとみられるメッセージには、「この部屋はオールドエールが大好きだったトム・ポーターによってふさがれた」とあった。
議会の地所関連の歴史家マーク・コリンズ氏は、今回の秘密の出入り口について、発見を楽しめたと述べ、「しかし、宮殿には解明されるのを待っているより多くの謎がまだ残されているのは間違いない」と付け加えた。コリンズ氏は、今回見つかった秘密の扉について建物内のツアーに組み込みたいと考えている。