漆黒の宇宙に浮かぶ「炎のリング」、ドーナツ状の銀河を発見

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「炎のリング」のようなドーナツ状の銀河が見つかった/James Josephides/Swinburne Astronomy Productions

「炎のリング」のようなドーナツ状の銀河が見つかった/James Josephides/Swinburne Astronomy Productions

(CNN) 揺らめく炎のような輝きを放つドーナツ状の珍しい銀河が、このほど研究者らによって発見された。銀河の構造や進化についてより深い知見を得る手掛かりになる可能性があるという。

「R5519」と名付けられたこの極めて珍しいタイプの銀河は、太陽系から110億光年離れた宇宙に位置する。質量は太陽系のある天の川銀河と同程度だが、中央部がぽっかりと開いたドーナツのような形状をしている。

オーストラリア政府が出資する国際的な天文学研究プロジェクト「ASTRO 3D」が25日に発表したところによると、中央の穴の直径は地球から太陽までの距離の20億倍。R5519の画像はASTRO 3Dが撮影に成功し、公開した。

ASTRO 3Dの主席研究員を務めるティアンティアン・ユアン氏は声明で「非常に興味深い天体で、これまで見たことがない」「天の川銀河の50倍のペースで星を作り出している」と述べた。星を生む活動の大半はドーナツ状の輪の部分で生じているという。

発見の全容はネイチャー・アストロノミー誌に掲載されている。

ユアン氏らの使用したデータは、R5519が初期宇宙に現れた最初の「衝突性環状銀河」である可能性を示唆する。これは別々の銀河同士が衝突して生まれる銀河で、形成されるには衝突前の一方の銀河がいわゆる「薄いディスク」と呼ばれる円盤状の構造をしている必要があると、研究論文共著者のケネス・フリーマン氏は説明する。

同氏によると天の川銀河をはじめとする渦巻銀河はすべてこうした薄いディスクの構造を持つ。天の川銀河のディスク形成はおよそ90億年前に始まったとされるが、R5519の起源は110億年ほど前であることから、渦巻銀河におけるディスクの形成はこれまで考えられていたよりも過去にさかのぼる可能性が出てきたとフリーマン氏は指摘している。

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