万引きで出動の警官、困窮の子連れ女性2人を訴追せず ギフトカード贈る
(CNN) 米マサチューセッツ州でこのほど、女性2人が万引きしたとの通報を受け出動した警察官が、困窮する様子の一家を見て訴追をせず、代わりにクリスマスディナーの食材が買えるようにギフトカードをプレゼントする出来事があった。
同州サマセットの警察官マット・リマさんは、12月20日に食料品店からの通報で現場に駆け付けた。店の警備員によると、2人の女性がセルフレジで一部の食品をスキャンせずに自分の袋に入れたという。2人は店を出たところで止められた。
女性たちは2人の女の子を連れていた。リマさんはCNN提携局WJARの取材に、「私にもその子たちと同じ年頃の2人の娘がいるので、つい同情してしまった」と語った。
リマさんは子どもに話を聞かれないように女性の1人を脇に呼んだ。店員も子どもに構って、何が起きているのかわからないように配慮した。
リマさんが話を聞いたところ、その女性は職があるものの、2人の少女の母親は現在無職で、家庭の問題も抱えていた。また彼女が万引きしたのは娘たちのためのクリスマスディナーだったとの説明もあった。リマさんが女性たちの意図を確かめようとレシートを確認すると、食品ばかりを入手しようとしていたことがわかった。
リマさんは「この家族が困っているのは明らかだった。まさか自分が店に来て、財布の範囲でお金を支払おうと決心するような状況になるとは想像しなかった」と述べた。
リマさんは女性たちに不法行為をしないように警告の通知を出しただけで、訴追はしなかった。
「彼女たちは大変感謝し、また衝撃を受けていたようだった。あの状況なら、多くの人は違う結果、逮捕されて裁判を受けるようなことになると思うだろう」(リマさん)
リマさんは、自ら250ドル(約2万6000円)分のギフトカードを購入してその女性たちに手渡し、女性たちが別の店舗で食品を購入できるように取り計らった。