新型コロナ、「ビタミンCと亜鉛に回復早める効果なし」の研究結果
(CNN) 新型コロナウイルス感染症で自宅療養中の患者にビタミンCと亜鉛のサプリメントを投与しても、回復を早める効果はないとの研究結果が報告された。
ビタミンCと亜鉛は、ウイルス性の風邪やインフルエンザの症状を緩和するのに役立つとされてきた。だが米医師会の専門誌「JAMAネットワーク・オープン」にこのほど発表された研究では、どちらも新型コロナウイルス感染症の自宅療養者には効果がないとの結果が出た。
米クリーブランド・クリニックの研究チームが成人の患者を214人ずつ4組のグループに分け、このうち3組にはビタミンCと亜鉛のどちらか一方または両方のサプリメントを大量に投与。残る1組にはサプリメントを与えずに休養と水分補給、解熱剤など通常のケアを続けた。
しかし、どちらのサプリメントにも症状を緩和する作用はみられず、研究は途中で打ち切られたという。むしろサプリメントを投与したグループでは投与しなかったグループに比べ、吐き気や下痢、腹痛などの症状を訴えた人が多かった。
新型コロナウイルス感染症の治療にビタミン剤などを使う研究の例は、このほかにもある。
抗炎症作用のあるビタミンDのサプリメントを使った臨床試験(治験)が実施されているほか、米国と中国の共同チームが現在、人工呼吸器を装着している重症患者にビタミンCの点滴を試みている。ビタミンCやD、亜鉛に感染を予防する効果があるかどうかについても、研究が進められている。