シベリアの永久凍土にできた巨大陥没穴の謎、現地調査で解明 ロシア

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ドローンで撮影した画像を元に3Dモデルが作成された/From Dr. Evgeny Chuvilin/Skoltech

ドローンで撮影した画像を元に3Dモデルが作成された/From Dr. Evgeny Chuvilin/Skoltech

ただ、メタンガスがどこから来たのかはまだ分かっていない。地中の深い層で発生した可能性も、地表近くで発生した可能性も、その両方の可能性もある。

永久凍土は天然の巨大メタン貯留場でもあり、熱を閉じ込めて地球を温暖化させる威力は二酸化炭素よりはるかに大きい。北極圏は世界平均の2倍のペースで温暖化が進んでおり、蓋(ふた)の役割を果たす凍土層は、夏の温暖化の影響で緩んでガスが放出しやすくなっていた。

永久凍土の土壌は大気中の2倍もの炭素を閉じ込めているとの推計もあり、この地域の地球温暖化対策は極めて重要とされる。

「気候変動は、当然ながら、北極圏の永久凍土にガス噴出クレーターが出現する可能性に影響を与えている」(チュビリン氏)

衛星画像の解析で、このクレーターができた時期も判明した。研究チームは隆起した地表が2020年5月15日~6月9日の間に破裂したと推定する。クレーターが上空から初めて目撃されたのは同年7月16日だった。

チュビリン氏によると、1年の中でもこの時期は太陽光エネルギーの流入が多く、それが原因で雪が解けて地面の上層部が温暖化し、土壌の性質や挙動が変化する。

クレーターが出現しているのは非常に人口が少ない地域だが、先住民や石油・ガスのインフラに危険を及ぼす可能性もある。陥没穴は大抵が、上空を飛ぶヘリコプターや、トナカイ飼育の遊牧民によって偶然発見されている。

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