「水道水が土臭い」と苦情相次ぐ 実は干ばつが原因 米サクラメント
(CNN) 米カリフォルニア州の州都サクラメントで、水道水に何かが起き、ちょっと土臭い味や臭いがすると住民たちが言っている──。だが実は、極端な熱波やあってもごくわずかな降水量、そして歴史的な干ばつなど、気候変動による危機的状況が複合的に作用した結果だった。
同州各地の川や貯水池が干上がりつつあり、サクラメントではそれが飲料水に、土の特徴的な臭いの元となる有機化合物の1つジオスミン(geosmin)の濃度の増加をもたらしている。
だが市当局によると、味は良くないかもしれないが、安全性に問題はないという。
同市のインフラ当局は、住民から水道水の味に関する苦情が相次いだために声明を発表。
市公共設備部門の広報担当者であるカルロス・エリアソン氏はCNNに対し、「不快であることは承知している」と話す一方、「利用者が感じた土のような味は無害で、レモンをいくらか付け加えたり、冷蔵庫に置いておくことで解消できる」と説明した。
ここ10年超にわたる激しい干ばつを経たサクラメントでは、水道水の味に異常が発生することは珍しくない。
ただ、味が問題となってしまうのは通常、水位が最低レベルになる夏の暮れ頃、もしくは初秋になってからだという。
湖や貯水池が干上がり続ける中、今後数カ月でジオスミンの濃度がどこまで上昇するかは明らかになっていないが、現在の傾向を考慮すると、濃度は高まり続ける可能性が高いとされている。