グレートバリアリーフを危機遺産に ユネスコ勧告も豪政府は猛反発

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ユネスコがグレートバリアリーフを「危機遺産」に登録するよう勧告した/Shutterstock

ユネスコがグレートバリアリーフを「危機遺産」に登録するよう勧告した/Shutterstock

(CNN) オーストラリア北東岸に広がる世界最大のサンゴ礁「グレートバリアリーフ」をめぐり、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は22日、「危機遺産」に登録すべきだと勧告したものの、オーストラリア政府は直ちに反論を展開した。

同委員会は、グレートバリアリーフの環境破壊の進行は気候変動が要因となっていると認め、危機遺産リストに登録するよう勧告。豪政府に対して、気候変動による脅威について「早急に」取り組むよう求めた。危機遺産に加えるべきか否かについては、来月に中国で開催される同委員会の会合で採決される。

これに対してスーザン・リー豪環境相は、サンゴ礁の保護に30億豪ドル(約2500億円)もの資金を投入しているとして、同国政府は勧告に「強く反対する」と表明。

また、今回の動きについて政府当局者らは「あぜん」としており、サンゴ礁が危機的な状態だと宣言されることはないとユネスコはかつて保証していたにもかかわらず、手のひらを返したと批判。「グレートバリアリーフは世界で最も管理が行き届いたサンゴ礁であり、勧告の草案では直接サンゴ礁が調査されておらず、また最新の情報を取り入れていない」とする声明を発表した。

このサンゴ礁は海の生態系にとってばかりでなく、48億ドル(約4000億円)の経済効果を毎年もたらし、6万4000人の雇用を支えるなど、同国の経済にとっても非常に重要な存在となっている。

だが、長期的にはグレートバリアリーフの存続について危ぶむ声が出ており、2015年以来、平均海水温の上昇により、サンゴに深刻な被害をもたらす大規模な白化現象に3度見舞われている。

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