カナダと米国結ぶ原油パイプライン「キーストーンXL」、開発会社が中止を発表

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キーストーンXLで利用予定で未使用のパイプ/Andrew Burton/Getty Images

キーストーンXLで利用予定で未使用のパイプ/Andrew Burton/Getty Images

(CNN) カナダと米国を結ぶ原油パイプライン「キーストーンXL」の開発を手掛けるカナダ企業、TCエナジーは9日、このプロジェクトを中止すると発表した。バイデン米政権は今年1月、同プロジェクトへの許可を取り消していた。

TCエナジーによると、複数の選択肢を包括的に検討し、カナダのアルバータ州政府と協議した上で、プロジェクトの打ち切りを決めたという。同社はプロジェクトからの安全な撤退を確保するため、規制当局や利害関係者、先住民のグループと調整を行う方針。

建設の中止により、キーストーンXLパイプラインをめぐり10年以上続いてきた論争に終止符が打たれることになる。同プロジェクトが環境や気候に悪影響を与えると主張してきた環境保護主義者にとっては大きな勝利となる。

このプロジェクトはカナダのタールサンド(オイルサンド)からの原油を米国に運ぶことを目的としており、長年にわたって政争の具になってきた。

バイデン大統領は就任初日、トランプ前米大統領がキーストーンXLに付与した許可を取り消すとともに、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」への復帰を表明。TCエナジーはこのとき、バイデン氏の決定は「数千人の組合労働者の一時解雇に直接結び付く」措置だと警告していた。

環境NGOのオイル・チェンジ・インターナショナルは「キーストーンXLの中止は、このプロジェクトが必要とされ公共の利益になったことは一度もないこと、化石燃料の時代が急速に終わりつつあることを改めて想起させた」と述べた。

一方、石油・ガス業界で最大の業界団体、米石油協会(API)は今回の発表に失望を表明。協会幹部のロビン・ロリック氏は「政治的な妨害がキーストーンXLパイプラインの中止につながったのは残念だ」と述べた。

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