巨大レーザーで落雷制御を試みる、「ハイテク避雷針」となるか スイス

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仏パリの研究施設で行われたレーザー実験の様子/P.Walch, LOA

仏パリの研究施設で行われたレーザー実験の様子/P.Walch, LOA

従来の避雷針はどれだけ高い位置に建設されても、地面の限られた範囲しか保護できない。一方、レーザーなら地面のより大きな範囲を保護できるようになるとウォルフ氏は期待を口にするが、保護範囲がどれだけ拡大するかはまだ明言できないという。

理論上、レーザーは避雷針の役割を果たして直撃寸前の落雷を捕捉するとともに、他の落雷を誘発することもできる。

「これはつまり、雷雲を放電させて電圧を下げ、周辺地域へのさらなる落雷を未然に防ぐことを意味する」(ウォルフ氏)

ウォルフ氏によると、こうした技術の最も直接的な実用方法としては、ロケットを打ち上げる時に保護したり、空港で嵐の際にレーザーを作動できるようにすることが考えられる。

ウォルフ氏はまた、雷保護への需要は幅広いと説明。落雷関連のコストは航空便の混乱を中心に、米国だけで毎年数十億ドルに上る可能性があると指摘する。

巨大レーザー

このレーザーはアンテナ施設からパワーを得る。ケーブルカーやヘリコプターで何度も移動する複雑な作業により、解体された状態で山頂まで運ばれた。

「これは巨大なレーザーであり、輸送には大型トラックが必要になる。そのため、現地で組み立て可能なモジュールを使い、パズルのように建設された」(ウォルフ氏)

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