「世界一危険な鳥」ヒクイドリ、1万8千年前には人類が飼育か
研究チームはエミューやダチョウの卵でこのモデルを試した後、ニューギニアで見つかった卵殻の断片の化石にもモデルを適用。その結果、遺跡で見つかった卵の大半はほぼ成長しきった状態にあることが分かった。
「卵殻の大部分は後期の段階で採集されたものだった」とダグラス氏。「これらの卵殻が非常に進んだ段階にあるように見えるのは、偶然ではない」
こうした後期の卵殻から、2カ所の岩窟住居に住んでいた人々は、ヒクイドリの胎仔(たいし)が手足やくちばし、爪、羽を完全に発達させた段階で卵を採集していたことがうかがえる。
だが、人類がこれらの卵を意図的に集めていたのは孵化させるためだったのか、それとも食用にする目的だったのだろうか。その両方だった可能性があると、ダグラス氏は指摘する。
完全に発達した胎仔の入った卵を珍味とみなす地域もあるが、研究チームの分析では、当時の人はひなをかえしていたことが示唆されているという。
ダグラス氏は声明で「われわれは卵の殻を焼いた跡についても調べた」「焼いた形跡のない後期の卵殻のサンプルは十分に存在しており、食べるのではなく孵化させていたと言える」としている。