米NASA、探査機「ルーシー」の打ち上げ成功 小惑星群観測へ
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は16日、米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から探査機「ルーシー」を打ち上げた。12年にわたるミッションで、8つの前人未踏の小惑星を観測する。
ルーシーは現地時間16日午前5時34分に打ち上げられた。打ち上げチームは午前7時過ぎ、ルーシーが安全に打ち上げられたことを確認する信号を受信した。太陽電池パネルの展開が成功したことも確認した。
ルーシーは12年のミッションで木星のトロヤ群小惑星を探査する。この小惑星群はこれまで観測されたことがない。トロヤ群小惑星の名前はギリシャ神話に由来する。2つの群れで太陽を周回していて、片方の群は太陽系最大の惑星木星に先行する位置、もう片方の群は木星を追いかける位置にある。
ルーシーがトロヤ群小惑星の近くを飛行する様子の想像図/Southwest Research Institute
これまでのところ、我々が目にするトロヤ群小惑星は画家による3次元映像かアニメーションだけだ。ルーシーは初めて、小惑星群がどのように見えるのか高精細な画像を提供してくれる見通し。
トロヤ群小惑星は太陽系形成初期の残骸とされる。ルーシーはこれらの小惑星を訪問して観測するために初めて設計された宇宙探査機。
研究者が時間をさかのぼって45億年前の太陽系形成の過程を垣間見る助けになりそうだ。ルーシーの12年間のミッションでは、太陽系の惑星が現在の場所に収まった経緯についても知見が得られる可能性もある。