子どもたちに「サンタはいない」と発言、司教が謝罪 イタリア
(CNN) イタリア・シチリア島のノート教区で先週、カトリック教会の司教が「サンタはいない」と発言して子どもたちを驚がくさせる出来事があった。地元教区はその後、子どもたちをがっかりさせてしまったとして謝罪している。
地元メディアによると、スタリアーノ司教は子どもたちを前に「いや、サンタクロースはいない」と発言。さらに「サンタの赤い衣装は実は、コカ・コーラ社がただ宣伝目的のために選んだものだ」と追い打ちをかけた。
イタリアメディアの報道によると、一連の発言は聖ニコラウスの祝日に開かれた催しで飛び出した。聖ニコラウスはサンタクロースの着想源になった人物で、その寛大さで広く知られていた。
司教の発言が拡散した後、ノート教区は司教の報道官による謝罪文をフェイスブックに投稿。「まず司教に代わって、子どもたちをがっかりさせてしまった今回の発言に遺憾を表明する。これはスタリアーノ氏の意図ではなかったとはっきりさせておきたい」と述べた。
そのうえで、司教の狙いは「クリスマスとその美しい伝統の意味について一層高い意識をもって思いをはせ、ますます『商業化』と『脱キリスト教化』が進むクリスマスの美しさを取り戻す」ことにあったと説明した。
さらに「聖ニコラウスを起源とするサンタクロースから老いも若きも教訓を引き出せるとしたら、それは『つくり出しては消費する』贈り物を減らし、互いに分かち合う『贈り物』を増やそうということだ」とも説いた。
スタリアーノ氏は10日掲載のイタリア紙とのインタビューでも自身の発言に触れ、「子どもたちにサンタは存在しないと言ったわけではなく、本当のことと本当でないことを区別する必要性についての話だった」と語った。
「消費文化」がクリスマスの真の意味を覆い隠してしまったとも指摘し、クリスマスの本質は、「全人類に自分を贈り与えるために生まれた」幼子イエスの誕生に示される「贈与」のメッセージにあるとの見方を示している。