南極大陸西岸の棚氷、5年以内に崩壊の可能性 米英研究者ら
デービス博士らの研究では、棚氷が海底に接する「接地線」のあたりの海水は温度が高く、塩分が多いことも分かった。
水中車両を使って棚氷の下の様子を調べたコーネル大学のピーター・ウォシャム博士によると、接地線は今後、ゆっくりと後退することが予想される。
デービス博士によれば、暖かい海水で水面下の氷が解けると、水の流れが速くなって氷のひびが増え、崩壊の危険がさらに高まる。
研究チームのメンバー、コロラド大学ボルダー校のテッド・スキャンボス博士は、海面上昇が本格的に加速するのは数十年先になるとの見通しを示したうえで、この流れを止めるのは不可能に近いと指摘した。
デービス博士も、これから起きることは止められず、できることはスピードを抑える程度だと主張。人間はこの数十年間、温室効果ガスを排出し続けた結果を受け止めているのだと語った。