サンタに新型コロナの治療法のプレゼントを頼んだ少年、今年の願いは?
ドウさんはジョナ君がサンタを信じているとは思っていない。ただ「ジョナはサンタがいるような瞬間を経験している。昨年はクリスマスの願い事を世界に向けて送ったら、ある程度それが実現した」と語る。
「たとえサンタを信じていなくても、手紙を書くことは彼にとって(新型コロナ流行の)問題をコントロールしようとする力になり、感情を伝えて起きてほしいことを表現する方法になっているのだと思う」(ドウさん)
ジョナ君の住むパークランドでは2018年に高校銃乱射事件が起きて17人が死亡した。そうした場所で育つという経験は、ジョナ君を含む子どもたちに影響を及ぼしているという。ドウさんは「あの日ジョナの学校は封鎖された」「ジョナのように市民としての意識を持ち、変化をもたらしたいと思う子どもたちが育ってきている。他人を助けた結果が見えると、さらに助けようと多くのことをしたがる」と語る。
今年7月に10歳の誕生日を迎えた際には、プレゼントの代わりに地元の子ども病院への寄付を家族や友だちにお願いした。その結果1000ドル(約11万円)を集めることができた。
誕生日にはさらに、がんなどの病気と闘う子ども向けのかつらを作る慈善団体に、自分の毛髪を寄付した。新型コロナのロックダウン(都市封鎖)の中、友人とチームを組んで髪の毛を20センチあまりになるまで伸ばしていた。
長髪だった時の自身の写真を持ったジョナ君。毛髪は今年の10歳の誕生日に寄付した/Doe and Joe Simons
「髪はとても長くて、そのせいでいじめられた。女の子と呼ぶ人もいた」とジョナ君は語る。