悪名高い米NYの刑務所、受刑者のコロナ感染拡大で危機的状況に
(CNN) 米ニューヨーク市のライカーズ島にある悪名高い刑務所が、「浮上してきたコロナ危機」に見舞われており、受刑者たちの間で確認されたコロナ感染例数が過去10日間で爆発的に増えたことが分かった。12月20日から21日にかけては、感染例数が倍近く増加したという。市矯正局長が21日、裁判官や地区検事長、公選弁護人らに宛てた書簡の中で明らかにした。
CNNが入手したビンセント・シラルディ矯正局長官の書簡によると、10日前までは、新型コロナ感染症の検査で陽性反応を示した受刑者数は1%前後にとどまっていたが、その割合は20日に9.5%へと跳ね上がり、21日には17%を超えるまでに増加した。
同長官は、「パンデミック(感染症の世界的大流行)の開始時からそうであったように、あらゆる兆候が、我々の収監者たちが同じような、もしくはより高いレベルでコロナ感染に直面していることを示唆している」と指摘。「こうしたデータを組み合わせると、我々が収監している者たちにとってのリスクが危機的なレベルにあることが示唆される」と説明している。
同局のデータによると、ライカーズ島の事案で最も急激な増加が起きたのは、19日から20日にかけてで、76人の受刑者が陽性反応を示した。同長官は、感染拡大の緩和を目的として収監者数を削減すべく、先の司法関係者らに対してあらゆる権限を行使するよう要請した。
また同長官は、ワクチン接種を1度受けた収監者はわずか45%である一方、38%が接種を完了したと説明。
ただ当局者によると、感染率が上昇する一方で、現在の感染拡大期間中に同感染症のために入院した受刑者はいないという。
ライカーズ島の刑務所では2020年、感染拡大を鈍化させる手段として、多数の受刑者を出所させていた。
同刑務所はすでに、面会の形式を対面式から遠隔画面方式に切り替えたり、宗教行事といったさまざまなプログラムや事業を中止したりと、感染拡大を鈍化させる措置を導入している。