ネアンデルタール人はグルメだった、7万年前のマメ料理が語る食生活
食材や料理法はネアンデルタール人(4万年前に消滅)もホモサピエンスもそれほど変わらなかったと思われる。ただしノハラガラシはホモサピエンスが住んでいた時代のシャニダール洞窟のみで見つかった。
ギリシャのフランクティ洞窟ではパンのようなものも発見されたが、成分は分からなかった。シャニダール洞窟では7万年前の人類がマメ類をたたいたり水に浸したりしていた痕跡を発見。食用に植物を加工していたことを示す直接的な痕跡としては、アフリカ以外で最も古かった。
有史以前の人類がこうした形で植物を組み合わせて食材としていたことは、味が重視されていたことを物語ると研究者は指摘する。
初期の人類は肉ばかり食べていたわけではなく、食事の内容は住む場所に応じてバラエティーに富み、味の違いを認識しながらさまざまな植物を選んで使い分けていたと思われる。

南イタリアの新石器時代の遺跡から発掘されたあごの骨。別の研究では古代人の歯垢から発酵など食事と調理技術の傾向を特定することができた/Andrea Quagliariello
これまでは、そうした料理法が現れたのは人類のライフスタイルが狩猟採集から農耕に切り替わった6000年前~1万年前ごろだったと思われていた。