ドバイの海岸に描く巨大な砂絵 ギネス記録のアーティスト
20日目にほぼ70%が完成したところで雨と強風に見舞われ、ほとんどが消えてしまうという経験もした。
アラピデさんは「そこが面白いところだ」と話す。刹那(せつな)的ではかなく、朝描いても夜までには波に消される。「私にとっては朝の祈りに似た儀式のよう」だという。万物が絶え間なく移り変わっているということを思い知らされる。ドバイのような街は、特に変化が激しい。
アラピデさんによると、人々はこうした作品の中に「美しさ」と「喪失」を同時に見出す。
アラピデさんは、人々が作品と影響を及ぼし合う場面を見るのが好きだ。子どもたちは大人よりも作品に気づきやすいことが分かった。
「大人は忙しい日々に追われて見えなくなってしまうのに対し、子どものほうが自分の環境をよく把握しているのだろう」と、アラピデさんは話している。