日本企業開発の着陸船、民間初の月着陸へ アラブ初の探査車搭載

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月面に降りた「ラシード・ローバー」のイメージ図/Mohammed bin Rashid Space Centre (MBRSC)

月面に降りた「ラシード・ローバー」のイメージ図/Mohammed bin Rashid Space Centre (MBRSC)

(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)の月探査車を搭載した日本の民間企業の月着陸船が11日、米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から米スペースXのロケットに乗せて打ち上げられた。

アラブ初の月探査車「ラシード・ローバー」は、UAEにあるドバイのムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(MBRSC)によって建造され、日本の月探査企業「ispace(アイスペース)」が開発した月着陸船「HAKUTO―R」に搭載された。成功すれば、史上初めて民間宇宙船の月面着陸が実現する。

着陸船はエネルギー消費の少ないルートを飛行し、月には2023年4月ごろ到達予定。探査車は月の表面で1日(地球の14.75日に相当)かけて月面探査を行い、2日目に2度目の運用を行って月の夜の厳しい環境に耐えられることを確認した後、廃棄される。

探査車は月の北東部にあるクレーター「アトラス」に着陸予定で、気温が零下183度にもなる月の夜に耐えられるよう設計されている。

ラシード・ローバーは重さ10キロの4輪車で、全て太陽光発電で駆動し、顕微鏡カメラや温度カメラを含むカメラ4台を搭載。月面のプラズマ解析や、月の塵(ちり)について詳しく探るための実験を予定している。月の塵はかみそりの刃のように鋭く、宇宙服や機材に食い込んで運用上の問題を引き起こすことがある。

建設はMBRSCで17年に始まり、全てUAEのチームによって設計された。今後も探査車や宇宙船など数機を月に送り込む予定で、2番目の探査車は25年にも打ち上げを予定している。

MBRSCはこれを足掛かりとして火星を目指しており、2117年までに人類初の定住地を火星に建設したい意向。

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