NASAの宇宙船、無事帰還 「アルテミス1」計画成功

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11日、メキシコ西部バハカリフォルニア沖の太平洋に着水するオリオン/Caroline Brehman/Pool/Getty Images

11日、メキシコ西部バハカリフォルニア沖の太平洋に着水するオリオン/Caroline Brehman/Pool/Getty Images

(CNN) 月を目指す「アルテミス計画」の第1弾として米航空宇宙局(NASA)が打ち上げた宇宙船オリオンが11日、地球に無事帰還した。オリオンは今後の有人飛行に向けた実験として無人で打ち上げられ、25日半かけて月の周りを周回していた。

オリオンは月から地球まで約38万5000キロを飛行して地球の大気圏に突入。米東部標準時の11日午後0時40分、メキシコ西部バハカリフォルニア沖の太平洋に着水した。

地球帰還に向けた最終段階の飛行は、最も重要かつ最も危険とされていたが、NASAは「教科書通り」だったと表現した。ビル・ネルソン長官は11日、「素晴らしい1日だ」と評した。

NASAは同日夕刻まで太平洋上に浮かんだオリオンのデータ収集や実験などを行い、今後の有人宇宙飛行に対応できることを確認する。付近ではオリオン回収のため、船舶やヘリコプター、米海軍船が待機している。

オリオンは音速の約32倍の速度(時速およそ4万キロ)で大気圏に突入した。その圧縮波で外部の温度は約2760度に到達。この熱のため、5分半にわたって通信が途絶えた。

地球の上空約6万1000メートルに達すると、湖面に投げた石が弾むような状態で一時的に再浮上した。その目的は、地上のチームがより確実かつ迅速に回収できるよう、着陸地点を調整するとともに、大気圏突入時の熱や衝撃を分散させることで搭乗者にかかる重力を和らげることにある。この再浮上の後、再び約3分間、通信が途絶えた。

着陸が近づくと大幅に減速してパラシュートを展開し、海上に無事、着水した。

今回オリオンが飛行した距離は約200万キロ。人が乗ることを想定した宇宙船としては、史上最遠まで到達した。NASAはアルテミス計画を足掛かりとして、人類を火星に送り込むことを計画している。

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