中東のドバイ首長国、30%の酒税を停止
ロンドン/アブダビ(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国は8日までに、30%の酒税を停止し、観光客や外国人居住者に求めていたアルコール飲料を購入するための許可を今後は不要とする新たな方針を示した。
外国人労働者や訪問客の誘い込みで地域内で高まる競争をにらんだ措置となっている。ロイター通信は地元メディアの情報として1年間の試験的な施策と報じた。
ただ、ドバイでイスラム教徒による酒類購入の許可の取得は禁じられている。
ドバイの国営系を含む酒類小売業の大手2社は今回の酒税停止を受けた販売を既に開始。うち1社は個人用の購入許可に要するコストをゼロにしたとも述べた。
UAEに属する複数の都市ではここ数年、地域内での人材獲得競争などが表面化したことを受け国際的に通用する政策の導入に転換。未婚カップルの同居の合法化、イスラム教のラマダン(断食月)の期間中に以前は禁じていた酒類販売の許可などを打ち出してもいた。
UAEでの酒類販売は隣接の湾岸諸国と比べた場合、制約がより少ない状態に既になっていた。UAEの総人口の約9割は外国人ともなっている。
世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)によると、外国人訪問客がドバイで昨年使ったお金は290億米ドル以上で、世界の各地と比べて最も多かった。
UAEの隣国であるサウジアラビアは原油依存の経済体質からの脱却を図るため観光資源の開発を強め、UAEなど地域諸国を刺激している。サウジ国政を仕切るとされるムハンマド皇太子は保守的なイスラム国家との印象がある同国を国際的なビジネス、人材が集まる拠点や観光の中心地に豹変(ひょうへん)させる国家改造計画を進めている。