ロシアへの旅客便を再開、欧州格安航空のUAE関係会社
(CNN) ロシアのウクライナ侵攻が6カ月目に突入し、ロシアはいまだ国際社会から隔絶されたままだ。世界的ブランドはロシアをボイコットし、航空会社や各国は運航便の中止や制裁を続けている。
だがハンガリーを拠点とする欧州格安航空社ウィズエアーの関係会社「ウィズエアー・アブダビ」は、乗客の需要を理由にロシア路線の運航再開を決定した。10月3日以降の搭乗券の販売が始まっている。
同社は2019年12月に設立され、ウィズエアーが49%、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系投資会社ADQが51%出資する。
ウィズエアーの広報担当者は次のような声明を発表した。
「ウィズエアー・アブダビは、UAEの規制と政策にしたがって運航する同国の航空会社だ。モスクワ発着便を利用したいというアブダビの乗客の声に応じるべく、モスクワ便を再開する。UAEの航空会社はいずれもロシア直行便を運航している」
さらに「ウィズエアー・ハンガリーとウィズエア・UKは現在ロシアへの運航を行っていない」とも述べた。
現在UAEからはエティハド、エミレーツ、フライドバイなどの航空会社がロシア路線を運航している。ウィズエアーは21年12月にロシア路線を開通したが、ウクライナ侵攻を受けて運航を停止していた。
しかし、乗客が航空各社の対応の違いに理解を示すかどうかはまだわからない。危機広報コンサルタントのマーク・ボルコウスキー氏は、今回の動きはウィズエアーに凶と出るかもしれないとCNNに語り、ウィズのライバル会社は状況を注視するだろうとも述べた。
「多くの企業が自分たちの決断を検証し始めている。戦争が長引くにつれ、美徳シグナリングは商業目的に道を譲るだろう」「今回の決定は大いに関心を集めるだろう。大惨事になる可能性もある。だがより大きな問題は疲労感であり、一定の商業上の利益は優先されるだろう。それでも、これは広報上の手痛いオウンゴールになりうる危険を伴う動きだ」(ボルコウスキー氏)