UAE、OPECに増産促す意向を表明 石油高騰に緩和の兆し
ニューヨーク/アブダビ(CNN Business) アラブ首長国連邦(UAE)のアルオタイバ駐米大使は9日、CNNに対し、UAEは石油増産を望んでいると述べ、石油輸出国機構(OPEC)に供給拡大を促す意向を示した。
石油市場では米国の禁輸対象となったロシア産石油を埋め合せできる国がほとんどなく、需給が極めてひっ迫している。UAEはこうした状況の解消に動く可能性を示唆した形だ。
アルオタイバ氏の発言を受け、9日の石油価格は急落。米国産石油は12%下落して1バレル=109ドル(約1万2600円)を割った。国際指標のブレント原油は13%安の1バレル=111ドルとなり、1日の下げ幅としてはここ2年近くで最大を記録した。
もしUAEがパートナー国の説得に成功すれば、OPECにとって路線転換となる。OPECは先週、協力関係にある産油国を交えた「OPECプラス」と呼ばれる会合で、一段の価格緩和を求める先進国の声に応じず、現行の緩やかな供給拡大計画を維持することで合意していた。
サウジ主導のOPECにとって重要なのは、こうした協力関係にある産油国の中にロシアが含まれていることだ。
OPECプラスは2日の声明で、4月の増産ペースを日量40万バレルずつとする方針を表明したが、これは1000万バレルに上るロシアの1日の原油生産量のごく一部に過ぎない。石油価格が過去2週間で30%上昇したにもかかわらず、OPECは市場の現状を「均衡が取れている」と評している。
みずほ証券のエネルギー先物担当幹部、ロバート・ヨーガー氏はCNNに対し、「UAEが折れた。彼らは最後まで抵抗を続けていた国の一つだった」と指摘。UAEが増産支持を打ち出したことを受け、サウジも追随するだろうとの見方を示した。