世界の地下水位が急速に低下、目立った例外ほぼなし 新研究

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地下水を利用したトウモロコシ畑の灌漑(かんがい)システム=アフリカ南部ザンビア/Mark Hughes

地下水を利用したトウモロコシ畑の灌漑(かんがい)システム=アフリカ南部ザンビア/Mark Hughes

(CNN) 世界の多くの地域で、地下水位が急激に枯渇しつつあることが新たな研究で明らかになった。現状数十億人の人々が、飲料水や灌漑(かんがい)用水などとしてこれらの地下水に頼っている。

研究では世界40カ国以上に点在する17万カ所の井戸を対象に、地下水位の分析を行った。携わった研究者らによれば、世界規模での地下水位の全貌(ぜんぼう)を明らかにする初めての研究だという。

地下水は帯水層と呼ばれる地層の割れ目や穴の中に含まれており、人々の生活にとって重要な資源となっている。特に降雨や地上水の乏しい地域では貴重で、インド北西部や米南西部などがこれに該当する。

論文著者らの分析によれば、2000~22年にかけて1693の帯水層系の71%で地下水位の低下が起きていることが分かった。36%の帯水層では、年間0.1メートルを超えるペースで低下しているという。

このうち最も低下のペースが速いのはスペインのアスコイ・ソプラノ帯水層で、低下の中央値は年間2.95メートル。イランにも、最速の水準で地下水位の下がる複数の帯水層が存在していると指摘する。

今回研究チームは、アフリカや南米、東南アジアの大半からはデータを取得できなかった。ただ対象とした国々には、地下水採取を極めて大規模に行う各国が名を連ねる。

一方、21世紀に入り地下水位低下が加速しているのかどうかを確かめるため、チームは1980年から2000年にかけて542の帯水層のデータにもアクセスした。

その結果、21世紀最初の20年間、これらの帯水層の地下水位低下ペースはそれ以前の20年間より30%加速していることが分かった。

研究ではこの他、タイのバンコクや米アリゾナ州、米ニューメキシコ州での成功事例にも焦点を当てている。これらの地域では水利用の規制の改善を通じ地下水が回復しつつある。他の地点の水資源を流用して、枯渇した帯水層を再び満たす取り組みも効を奏している。

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