豪グレートバリアリーフで「広範な」サンゴ白化 7回目の大量白化懸念
(CNN) オーストラリア沖に広がるサンゴ礁「グレートバリアリーフ」の南部で、熱ストレスによる広範な白化が起きていることが分かった。サンゴ礁の管理者が28日、明らかにした。生態学的に重要で広大なグレートバリアリーフで7回目の大量白化が進行している可能性がある。
グレートバリアリーフ海洋公園局とオーストラリア海洋科学研究所が先週末に実施した航空調査で、「調査対象となったサンゴ礁全般で広範かつ一様な」白化が起きていることが判明した。
調査チームは先週末、ケッペル諸島やグラッドストーン地域にある沿岸サンゴ礁27カ所、クイーンズランド州南部沖のカプリコーン・バンカー諸島にある沖合サンゴ礁21カ所を上空から調査した。
海洋公園局でサンゴ礁の健康対策を統括するマーク・リード博士によると、調査対象になったサンゴ礁の大半は「一定水準の白化を示していた。浅瀬のサンゴ礁では白や蛍光色のコロニー(群体)が観測されている」という。
34万5000平方キロ近い範囲に広がるグレートバリアリーフは世界最大のサンゴ礁で、1500種以上の魚類や411種の硬質サンゴが生息する。オーストラリア経済に年間数十億ドル貢献しており、国内でも世界でも有数の自然の驚異として外国人観光客に宣伝されている。
しかし、温暖化効果のある化石燃料の燃焼が世界で続く中、海水温の上昇がサンゴ礁の破壊的な白化に拍車を掛けている。現在は海面温度が平年より高くなるエルニーニョ現象が観測史上最強規模で起きており、それも海水温の上昇につながっている。
白化はストレスを受けたサンゴが組織内から藻類を排出し、食料源を失うことで起きる。海水温が通常より高い状態が長引くと、サンゴは餓死し、炭酸塩の骨格が露出して白くなる。
グレートバリアリーフの管理者は今後、航空調査や水中調査の範囲をサンゴ礁全域に拡大する方針。最も影響が大きいのはグレートバリアリーフの南部だが、当局には海洋公園の全域から白化の報告が寄せられている。