新種の草食恐竜、ほぼ完全な骨格の化石発見 英国

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イングランド南部沖合の島で発見された新種の恐竜のイメージ図/John Sibbick

イングランド南部沖合の島で発見された新種の恐竜のイメージ図/John Sibbick

ロンドン(CNN) およそ1億2500万年前、現在の英イングランド南部沖の島に生息していた新種の草食恐竜の化石が、英国史上、最も完全な形で見つかった。

論文を発表した英ポーツマス大学のジェレミー・ロックウッド氏によると、この恐竜はアメリカバイソンほどの大きさで、体重は1トン前後と推定される。

発掘現場を訪れた英ポーツマス大学のジェレミー・ロックウッド氏=英イングランド沖のワイト島/University of Portsmouth
発掘現場を訪れた英ポーツマス大学のジェレミー・ロックウッド氏=英イングランド沖のワイト島/University of Portsmouth

骨格の近くにあった足跡の化石は、この恐竜が恐らく草食動物だったことを物語っているとロックウッド氏は指摘。「1億2000万年以上前、この恐竜の大きな群れが、氾濫原(はんらんげん)で捕食動物に驚かされ、轟音(ごうおん)を立てて駆け回っていたのかもしれない」と想像している。

149本の骨で構成されるこの恐竜の化石は、イングランド沖のワイト島で2013年に発見された。学術誌に発表された論文によると、英国でこの100年あまりの間に見つかった化石の中では最も完全な形で残っていた。

化石を発見した地元の収集家ニック・チェイス氏は、19年にがんのため死亡した。

ロックウッド氏はチェイス氏について、「恐竜の骨を見つける驚異的な嗅覚(きゅうかく)を持っていた。まさに現代のメアリー・アニング(19世紀の著名古生物学者)だった」と回想し、「彼はどんな天候でも化石を採集して博物館に寄贈してくれた。私たちは年齢が近いので、老後は一緒に化石採集をして過ごしたいと思っていたが、かなわなかった」とチェイス氏をしのんだ。

新種の恐竜は、発見者のチェイス氏と発見場所のコンプトン湾にちなんで「Comptonatus chasei」と命名された。

大きな骨盤などの特徴からこの恐竜が新種と判断された/University of Portsmouth
大きな骨盤などの特徴からこの恐竜が新種と判断された/University of Portsmouth

研究チームはあごの骨格や大きな骨盤などの特徴から、この恐竜を新種と判断した。

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