中年期の有酸素運動で認知症リスク軽減か、思考速度向上の効果も 新研究

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中年期や老年期に行う有酸素運動を増やすことで、アルツハイマー病を含む認知症のリスクが軽減される可能性があるとの研究結果が発表された/FreshSplash/E+/Getty Images

中年期や老年期に行う有酸素運動を増やすことで、アルツハイマー病を含む認知症のリスクが軽減される可能性があるとの研究結果が発表された/FreshSplash/E+/Getty Images

(CNN) 中年期や老年期に有酸素運動を増やすことで、アルツハイマー病を含む認知症のリスクが軽減される可能性があることが分かった。学術誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン」に19日に掲載された研究で明らかになった。

スウェーデン・ストックホルムのカロリンスカ研究所老化研究センターの教授を務める同研究の主任著者は「研究は、遺伝的にアルツハイマー病になりやすい人にとっても心血管の健康が認知症のリスクを軽減する上で重要な役割を果たすことを強調している」と説明する。

研究によると、全体として心肺機能が最も良好な人は認知機能が高く、それほど健康でない人に比べて認知症の相対的長期リスクはわずか0.6%で、認知症の発症が1.5年遅くなる。

定期的な有酸素運動によって発達する心肺持久力は、肺と心臓の酸素摂取量を増やし、長時間疲れることなく高強度の運動を続けるのに役立つ。

アルツハイマー病の遺伝的素因を持つ人にはさらに大きなメリットが見られた。心肺持久力が最も高い人はアルツハイマー病を発症する相対リスクが35%低かったという。

研究によると、心肺機能の低さは、心臓発作などの心血管疾患や、がんを含むあらゆる原因による早死にの強力な予測因子だ。

研究では、英国市民50万人以上を対象とした長期的な研究データベースである「UKバイオバンク」に登録された、39歳から70歳までの認知症を患っていない6万1000人以上のデータを分析した。

2009年から10年にかけて対象者が最初に登録されたとき、認知機能と遺伝的リスクの検査に加えて、心肺機能の基準テストが実施された。その後12年を経て研究者は、当時の健康状態と現在の認知症の診断との間に関連性があるかどうかを調べた。

米フロリダ州の神経変性疾患研究所の研究責任者リチャード・アイザックソン氏は「この研究では、運動がいくつかの重要な認知能力の類型に用量依存的(多ければ多いほど良い)効果を与えることがわかった」と述べた。特定の単語や数字を思い出す、または予約をするなどして計画した行動を覚えておくなど、さまざまな種類の記憶において、心肺機能は大きな変化をもたらす可能性があるという。同氏はこの研究に関与していない。

有酸素運動能力は脳の思考速度も向上させる。つまり、言葉やアイデアが脳内のA地点からB地点まで速く伝わるようになる。

一方で、ニューヨーク市のマウントサイナイ・フスター・ハート病院のバレンティン・フスター院長はこの研究は観察研究であり、直接的な因果関係を断定することはできないと指摘している。

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