英首相「うそつき」呼ばわりのヒット曲 ラジオで流れず
ロンドン(CNNMoney) 英国で先週から、メイ首相を「うそつき」と批判する歌が大ヒットしている。ただし政治的な中立を要求されるラジオでは、一切流れていない。
このヒット曲は、英国のバンド「キャプテンSKA」の「Liar Liar GE2017」。「Liar」は「うそつき」、「GE2017」は来月8日に予定される英国の総選挙を指す。
欧州連合(EU)からの離脱や早期総選挙、在宅医療の自己負担増額などをめぐり、方針転換を繰り返してきたメイ首相を「信頼できない」と批判する内容だ。
先週発表されたばかりだが、ユーチューブの再生回数は60万回を超え、米アップル「iTunes(アイチューンズ)ストア」でのダウンロード・ランキングでもアリアナ・グランデ、ジャスティン・ビーバーら人気歌手を抑えて2位に躍り出た。
同バンドのプロデューサー兼ライター、ジェイク・ペインターさんは「歌が共感を呼んでいることに勇気づけられた」と話す。売り上げは食糧銀行や政治活動団体に寄付するという。
ファンの間では、この曲が放送されないのは検閲に当たり、民主主義に反するとして、主要ラジオ局に放送を求める嘆願運動が始まった。
英国の規制当局が政治的な楽曲を取り締まることはないが、放送局が特定の政党や候補者を応援してはいけないという規則はある。
英BBC放送はアーティストや楽曲の禁止措置はとらないものの、「我が社の方針として中立性が求められる。英国は現在選挙期間中なので、この曲は放送しない」と表明している。